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石巻センター館より

こんにちは、石巻センター館の広部です。
ここ数日の石巻は、昼は半袖でよいくらいになりました。
風も暖かくなってきました。

生ぬるい風が海側から吹いてくると、石巻は漁港の街ですから、魚の匂いがします。
石巻を代表する日本製紙工場のパルプの匂いも混ざります。
慣れないとなんだろう、と思う匂い。
そのため、天皇陛下が来石した折には、魚の加工工場や製紙工場を3日以上前から操業停止したことも過去にはあるとの話。
しかし、震災が起きた年のヘドロの臭いといったら、本当に厳しいものでした。
としょかんを管理をする者として思うことは、本が臭くないということは本当にありがたいということです。

避難所において、一番気が滅入る原因は、ともかくヘドロの臭いが生活にしみついてしまうこと。
マスクに、服に、布団に、本までにも。その場では鼻が馬鹿になって臭いということしかわかりませんが、ヘドロの臭いがしない場所まで持ってきて嗅ぐと、びっくりするぐらいヘドロのえもいわれぬ臭いが染みついていたものです。本も資料も読む気さえおきません。

以前、「ママ、この本臭くないね」と言っていた子供がいました。紙とインクの匂い、としょかんの匂い、それが当然に存在するものではないことを知っている人たち。

みなさまのご支援のおかげで、小さいけれど当たり前のとしょかんの姿がここに在ることは、無邪気な子供たちの笑顔をみていて本当にありがたいことだと感じます。

・・・子供たちって、普通の利用風景を撮ろうと思って、何気なくカメラを向けると、やたら勘が鋭くてすぐにポーズ決めたり恥ずかしがったりするんですよね。かわいいから、別に良いけど。

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