「みんなのとしょかん」プロジェクトとして活動を始め、
まもなく2年になります。
それから少しずつ活動が拡がり、
延べ12か所にとしょかんを設置することが出来ました。
以前に比べると、
支援していただく書籍も、応援のメッセージも、
たくさん頂けるようになりました。
みんとしょサポーターとなって頂き、
活動を支援して頂ける方も増えました。
しかし、被災地の状況も、
私たちの団体の活動も、厳しい状況は続いています。
薄れていく人の関心を無理につなぎ止める事は出来ません。。
やはり継続していくことには様々な困難が伴います。
被災地と呼ばれる地域の状況は、
都市部を除けば、かなり厳しいものです。
急激な人口減少、それも働き盛りの世代が離れていくなかで、
地域に柱となる産業が無い現状。
震災後の新たな都市計画に対する合意形成の難しさ。
急速に失われる地域コミュニティ。
情を除いて冷静に判断する中で、
地域の再建がかなり厳しい自治体もあります。
その現状を見た帰り道、
自分の無力さに打ちひしがれ、
悔しいという感情すらも出ず、
ただ茫然と家路につく事も一度ではありません。。
そんな中でも、
ちいさな「としょかん」が出来たことを何より喜んでくれて、
自分の時間を割いて、
その空間を少しでも良いものにしようと
頑張ってくれる方がいらっしゃいます。
山元町の菊地さん。
みんなのとしょかんの管理責任者を自主的に請け負ってくれています。
基本的にセルフとは言え、
ご自身の仕事も、生活の再建もある中で、
日々の運営は楽ではありません。
それでも、地域の方に協力を頂きながら、
明るさとユーモアを忘れず、
日々運営をしてくださっています。
こういう人がいるから、としょかんが成り立ちます。
また、身内の話ですが、
としょかんの数も、管理する書籍の量も増え、
少しずつ煩雑になる業務の中、
どうすればより良い管理が出来るか、試行錯誤を繰り返し、
手伝ってくれるスタッフの努力も何より大切です。
日々、本の重さ、そしてホコリと闘いながら、
一館でも多くのとしょかんをつくろうと、
一冊でも良い本をとしょかんへ届けようと、
努力を続けてくれています。
そして、
地域への関心が薄れる中において、
今もこのようにブログを読んで頂ける、
皆さまがいる事が、
本当に嬉しく、何より有り難く思います。
被災地という、地域を傷つける言葉を使わないのが一番です。
でも、その言葉を使わなければ、
忘れ去られてしまうかもしれない地域があります。
ただ、
その姿は何も特別なものではないと思っています。
人口、特に若者の減少。
主たる産業の衰退。
人数的にも、年齢的にも、そして意識的にも自治会などの形成が
難しくなる地域の姿。
地域に人びとの興味関心が薄れていく状況。
これらは何も被災地に限った事ではありません。
これは、さほど遠くない未来に訪れる、
自分たちの住む地域の姿です。
自分たちの子どもが経験する未来です。
そんな中で、
多くの支えによって成り立つ、小さな団体が小さなとしょかんを創り、
そこから生まれるコミュニティが、その地域にとって必要な、
あたたかい場所となる。
そうなる事によって、
私たちの活動が被災地の支援という枠に留まらず、
地域の未来にとても意味のある存在になれれば、
皆さまの支援に対して、最大限のお返しとなる、
そう信じています。
どうかこれからも私たちの活動と、地域に
興味を持って頂ければ何より嬉しく思います。
そして、私たちも皆さまがこれからも興味を持って頂けるような
活動を心がけていきたいと思います。
地域の皆さま、
支えて下さる皆さま、
そしてスタッフ、ボランティアのみなさん、
本当にありがとうございます。