はじめてのとしょかんを設置してから丸2年が過ぎました。
としょかんの設置が進み、皆さまから頂いた、たくさんの本が並んだとしょかんを見る時、
何とも言えない嬉しさがこみ上げます。
でも、
一つ「としょかん」の設置が終わるという事は、次のとしょかんの準備が始まる合図でもあります。。
そして、私たちが描く目標にはまだ遠いな、とあらためて感じる時でもあります。
現在も全国の約500近い市町村には、独立した建物としての図書館がありません。
誤解をして頂きたくないのは、小さな町にも、図書館の機能がある施設はたくさんあります。
公民館とか、文化会館の中とか。
そこで、本を借りることが出来ます。
知識の充足を得る事も出来ます。
ただ、私が図書館に行く理由に、もう一つ大きなものがありました。
私が子どもの頃、図書館は、
大切な勉強の場であり、
調べ物をする場であり、
静かな遊びの場でありましたが、
何よりも、自分の居場所がないときの「逃げ場」でした。
「自分の居場所がなんとなく無いな、、」
「何となく一人の空間に居たくないな、、」
と思ったとき、
誰が来ても、受け入れてくれて、
誰がいても気にならない、そんな場所があるのは、やはり、ほっとします。。
だから、私たちは、すべてのまちに、そんな場所をつくりたいのです。
地域コミュニティの形成が難しい、いまの時代だからこそ。
それともう一つ、大切にしている事があります。
それは、私たちは、としょかんを設置する地域の人数にこだわってはいけない、という事です。
移動図書館の運行すら厳しい地域も、沢山見てきました。
「この地域には10人しか子どもがいないから図書館は作れない」
そんな言葉も聞きました。
限られた予算で、行政サービスを行わなくてはならない地域にとって、予算効率の良くない、
いわゆるマイノリティへのサービスの提供はどうしても後手に回ります。
そんな中で、地域に暮らす方が少なくても、1日の利用者が10人しかいなくても、
私たちは必要があればとしょかんを創ります。
非効率な事を効率良く、徹底的に行う。
民間の小さな団体だから出来ることもあります。
少子化、高齢化が進み、過疎が進む地域が増える中で、地域が厳しくなる状況は顕著になっていくでしょう。
徐々に、でも確実に小さくなっていくふるさとで、コミュニティはどうあるべきなのか、、
将来を考える場所はどこにあるのか、、
それでも生きていく子どもたちに何を残せるのか、、
そんなことを考える場所として、「としょかん」が何らかの意味を持てたら、、
そう思いながら、としょかんを作っています。
「10人しかいない子どものためのとしょかんがある」
「大人たちがとしょかんで、自分たちのまちの姿を話し合う」
そんなまちって素敵ですよね。
そんなまちの良さに、
感激してくれた誰かが、
移住してくれて、
その地域の子どもの数が、
10人から11人に増えたら、
もっと素敵ですよね。。
「すべてのまちに、としょかんを」必ず達成したいと願い、たくさんの人の協力と支えを頂きながら、
今日もコツコツと、日々の活動を続けています。
いつも活動を支えて下さること、
活動に興味を持ってくれていること、
そしてこの長文を読んでくれたことに、
心より感謝申し上げます。
みんなのとしょかんプロジェクト
川端秀明