みんなのとしょかん、代表の川端です。
少し長文になります。
「復興はまだまだ」「被災地とは呼ばないで」、、
色々な言葉が聞かれます。特にこの時期になると、、
「どの情報が一番正しいのですか?」とも聞かれます。
おそらくすべてが正しいのでしょう。
人や地域が違えば、視点が違えば事実は違うのに、
様々な地域で起こっている事を一言で表すなんて出来ないのに、
被災地はこうだ、とまとめたがる種類の報道は、やっぱり好きにはなれません。
そんな偉そうなことを言いながら、自分自身、まとめて考えてしまっている気がして、時折自分自身に苛立ったりもしています。
私たちの活動も一つではなく、様々な変化が起きています。
被災された地域に関していえば、
今まで設置したとしょかんを移転、もしくは閉じる活動も始まっている、という事が一番大きな変化でしょうか。
私たちのとしょかんは様々な場所にあります。
その中でも仮設住宅に設置した「としょかん」のいくつかは、その役目を終えようとしています。
東松島市のひまわり集会所。
このコミュニティは、今年の夏を目途に、集会所の管理が、
地域の方から行政に移ります。
理由は、住民の移住が始まり、住民が減少し、
いずれは自主的な管理が出来なくなるからです。
仮設住宅ではなく、新しい生活の場へ移る。
それ自体はとても喜ばしい事ですが、
一斉に移住が出来る訳ではありません。
少しずつしか土地の整備が進まない地域もあります。
つまり、徐々に減っていく住民の中で、コミュニティを変えなくてはならない時期に来ているという事です。
なので私たちは今、ひまわり集会所を
「仕舞う支援」を行っています。
閉じるタイミングというのはとても難しいものです。
残る人もいる中で、集会所がいきなり閉じるのは厳しい。。
なので、住んでいる人数やニーズに応じて、縮小していく、という少々デリケートな形態をとります。
そして、このひまわり集会所のあるグリーンタウンやもとの応急仮設住宅は、来年秋頃をもって、閉じられることになります。
残念ながら、住民が全ていなくなるから、という訳ではありません。
仮設住宅は当時緊急で建てられたこともあり、
市有地だけではなく、民間の土地も借り上げて建っています。
そして、仮設住宅の住民が少なくなれば、
財政上の点からも、
市有地にある仮設住宅を残し、
残りの仮設住宅は解体が始まり、
そこに住んでいた方々は、市有地に立つ仮設住宅へと
移住します。
好きとか嫌いではなく、
でも住み慣れた仮設のコミュニティから、
また別の仮設のコミュニティに移る、、
そういう方も多く存在します。
そこにはきっと新たな苦労があるのでしょう。
誤解をしてほしくないのは、それが良いとか、悪い、という事を伝えたいのではありません。
少しずつ時間が経っているから、
3年を迎える今だから起こっている事がある、
そして、それは一つではなく、
見えないところでたくさん起こっているという事実。
そして、それは意識しなければ見えない、
という事だけを伝えたいのです。
見えないから、被災地の苦労が過ぎた、と考えず、
見えなくても様々な苦労が存在する、、
そう思ってくださる方が増えるだけでも、地域の方の地道な努力が報われるような気がします。
私は震災を機に、この地域の方々と縁を結びました。
でも、たった3年で、この地域の方の抱える悲しみや苦労を、
すべてうかがい知る事は出来ません。
そんな私たちだからこそ、
無理に記憶を呼び戻すのではなく、
無理に何かをしようと思うのではなく、
今起こっている事がある、その事自体に心を寄せて、
3月12日になっても、
今必要とされることを、今出来る範囲で行っていきたい、、
そう思っています。
これから出来ることを考えるためにも、
明日は石巻で、地域の方とともに祈りたいと思います。
長文にお付き合いいただき、ありがとうござました。.